大吟醸の仕込
大寒*のころは気温が低く、雪も深く、空気が清浄なため、「寒仕込み」の呼び名があるように、清酒を仕込むにはもっとも良い季節です。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
大寒(だいかん)は二十四節気の1つ。1月20日ごろ。および、この日から立春までの期間。

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大吟醸の場合は、最良の蒸米が得られる昔ながらの「甑(こしき)」が使われます。


麹(こうじ)用の蒸米を冷やすための台。私たちは「枯らし台」と呼びます。

 


40分〜50分で蒸し上がります。

スコップで掘り出します。


麹用にちょうど良い温度になるまで冷やします。
熱いので火傷をしないように、始めは布を使って広げます。


気温が低いので、すぐに手で触れるようになります。


湯気がなくなってくると・・・
ひっくり返して均等に冷やします。


ちょうど良い温度まで冷えました。

さあ吟醸用の麹室へ・・・

麹室(こうじむろ)の作業です 「よいしょ!」 作業台に広げて乾かします。

薄く広く広げて行きます。

最後まであと少しです。

入った直後は暖かくて、冷えた体には気持ちよい麹室。
でも長時間いると汗が・・・。

しばらくしたら、均等に乾くようにひっくり返します。
表面を乾燥させる事により、こうじ菌がより水分のある米の内部に入り込み、良い麹ができるとされています。

午後になると、種(こうじ菌の胞子)を撒きます。
落ちてきた種を団扇で飛ばします。
見えるように多めに落としてもらいました。
   
このように、少しずつ落として団扇で拡散させます。
少し撒いては、こうじ米をひっくり返し・・・・を続けます。この作業を終えると、一カ所にまとめられ、毛布に包まれて次の日を待ちます。
   

ー次の日ー

次の日の麹室です。
同じく室温は40℃。


蒸米の固まりをほぐした後、このお盆のような「麹蓋(こうじぶた)」で麹をつくります。この作業を「盛り(もり)」と呼んでいます。


上下で温度差が出るため、2時間おきに上下を入れ替えます。

このころの麹の拡大写真です。

米の表面に、白い糸のような麹菌の菌糸が見えます。


午後には「仲仕事」と呼ばれる作業をします。
手で麹をかき混ぜて・・・・


麹蓋を巧みに動かして、麹を中央に寄せます。


盛りと同じように、仲仕事では中央が凹んだ形にします。


その日の夜には「仕舞仕事」が行われます。


こんどは畑のように4本の山を作ります。

これは蒸しから、約53時間後の麹。
できあがりです。
菌糸の先の白い玉のように見えるところは胞子嚢のできかけです。


今日は仕込用の蒸しです。
横山杜氏(右から二人目)が蒸し上がりをチェック。

防寒ならぬ防熱用の長靴を履いて甑の中に入ります。


湯気でよく見えません。

短時間で温度を下げるために放冷機を使います。


画面左は連続蒸米機

冷やされた米は大吟醸用のタンクに投入。
タンクの上から見たところ。


タンクの縁から撮影。
   
米がバラバラに分かれているのが良くわかります。これからタンクの中で、約一ヶ月ゆっくりと発酵が続きます。