酒造りの最初の作業は精米です。
飯米用の精米機と異なり、米を削る金剛ロール(砥石のような物)の回転軸が縦になっているため、縦型精米機と呼ばれます。手前の赤色灯の付いたロッカーのような箱に制御用のコンピューターが入っています。
精米前の玄米を100%としたとき、58%までは28時間ですが、大吟醸用の35%まで精米するには約90時間かかります。米の中心になるほど硬く砕け安くなるためです。そのため、米の大きさに応じて精米機のスピードを変化させて優しく少しずつ削ります。
初雪が降る頃には新酒のしぼりが始まり、本格的な酒造りの季節を迎えます。
秋になると大きな研究会が2つ行われます。
一つは出品用吟醸酒の研究会です。
秋の関東信越国税局酒類鑑評会に向けて自社の大吟醸酒を評価してもらう研究会です。
これまでを車にたとえればワークスレーサーがサーキットで行う試験走行のようなもの。
一般の人にはあまり縁がありません。
これからお話しする「市販酒研究会」は酒造組合が一般酒販店より買い上げた市販酒を評価しようというもので、車にたとえれば、一般に町で売られている車を評価するようなものです。
新潟県では上越(南部)、中越(中部)、下越(北部)の3会場で行われます。
以下は中越地区のもようです。
このように新潟県では、各蔵が連携して、「あの蔵はここが良い。」「うちもそれを試して良くなった・・・」といった情報を絶えず交換して、清酒の品質向上に努力しています。